日本・イスラエル・パレスチナ学生会議

参加者からのメッセージ

第4回日本・イスラエル・パレスチナ合同学生会議の参加者から届いた感想を紹介します。

(イスラエル人・パレスチナ人参加者の感想は『第4回日本・イスラエル・パレスチナ合同学生会議 事業報告書』「参加者個人総括」より抜粋・要約。)

  

イスラエル人参加者:ヤエル・ラヴィ

パレスチナ人参加者と会うことで、私の思いはさまざまに揺れ動いた。時には、この問題に希望はなく戦争しかない、そしてわれわれはこの戦いに勝たなければならないのだ、と思うこともあった。だが一方で、なぜ自分たちが仲良くやっていけないのかわからなくなることもあった。私はパレスチナ人参加者との交流を通して得たことの中で一番重要なことは、以前よりも相手側のことをよく考えるようになったという事である。会議を終えてイスラエルに帰ってから、ニュースを聞くたびにパレスチナ人はこれに関してどう思っているだろうか、パレスチナではこの事件がどう報道されているだろうか、そして私のパレスチナの友人たちはこの状況をどう感じるであろうかと考えるようになった。私は、パレスチナ人はイスラエルに敵対しているわけではなく、彼らはただ彼ら自身の利益を求めているだけなのだということを学んだ。時には彼らの利益追求が結果的にイスラエルに敵対する形になることもあるが、彼らは敵対することを望んでいるのではなく、それが理由でいつも紛争が起きる必要はない。

同じように、パレスチナ人参加者の中にも変化が起きていたのかもしれない。サイードと話していた時、私はイスラエル人の子供が殺された時に彼がどう感じるか、もしくは市民を巻き込む自殺爆撃を彼がなぜ支持しているか理解しようとしていた。彼は、ガザに居た時はそれらのことを支持していたが、しかし今私と知り合った後は、爆撃があったと聞けば私を心配し、私が事故にあっていないことを願うだろうと言ってくれた。お互いに一人ひとりが心配しあい、そしてそれが国家のレベルにまで広がっていくことこそ、本当に必要なことであると思った。

イスラエル人参加者:ソフィア・ショトヴ

今回の経験は私にとって、パレスチナ人の考え方を理解するのに非常に良い機会であった。私は今回、イスラエル人だけでなくパレスチナ人もまた平和を望んでいるということを知ることができた。この会議に参加する前は全てのパレスチナ人が、イスラエルが中東に存在することを認めていないのだと考えていた。しかし、今では平和的解決を望んでいるパレスチナ人もいることは分かっている。そのことは私にとって非常に重要であった。

紛争の解決策を見出すのは、非常に難解なことであり、平和的解決策を導き出すためには長い道のりを経ることだろう。しかしこの会議をきっかけに、平和的解決は可能だという私たちの希望へと向かう小さな扉は開かれたと私は思っている。イスラエルとパレスチナは前進と後退を繰り返しているとよく言われるが、明らかにこの会議は平和的解決に向けての一歩の前進であり、このことはとても重要な事実である。私たちは平和的合意に向けてのこういった前進を模索し、そしてそれを実現することができた。現在私は政治学部で勉強している学生であり、私を含め会議に参加していたメンバーはまだ若い。しかし私たちは将来、自国の未来を決定できる立場に立つことになる。このような理由から、日本での会議は私たちにとって非常に重要であった。

イスラエル人参加者:ニムロッド・エヴロン

パレスチナの学生との交流もまた私にとっては非常に重要な意味を持っていた。イスラエルにおける政治的活動を通してパレスチナ人と会う機会はたびたびあったが、そのとき  私は一個人としてではなく、「イスラエル人」として彼らと接していた。だからこそ一人の人間としてパレスチナ人と腹を割って話すことができるこの会議は、わたしにとって非常に意義深いものであった。
 この会議を通じて、イスラエル・パレスチナ紛争についての私の意見は変わったというよりむしろ、確固としたものとなった。私がディスカッション中に感じた問題点として、他のメンバーが、自分自身が関わっている問題についての議論になったときにナショナリズム的な視点から論を展開していたことが挙げられる。結果として私は、偏狭な視点に陥ることなく、より広い視点から問題を捉えることの重要性を再確認することとなった。最終的には、ほとんどのメンバーが、私が会議中ずっと主張し続けてきた、より公正な社会のために貢献する活動に参加することの大切さを理解してくれたように思う。
 会議中、私は一個人として、また平和活動家として他のメンバーから評価されていたと思う。このことにより私は自信を増し、人々への抑圧に反対する活動をこれまで以上に活発に続ける動機を得ることができた。

パレスチナ人参加者:ハディール・マージド

このような会議は、多くの理由において非常に重要である。私は、イスラエル・パレスチナ紛争についての関心を世界中で喚起することは意義深いことであると考えるからである。紛争が起きていることは知っているが、どういうものか詳しく知らないという人は多い。また、イスラエル・パレスチナ双方から様々な意見を聞くことで、人々は中立的な意見を持つことができる。それゆえ、実際に何が起こっているのか、人々が何を考えているのかを国際社会に知らせることは重要なのである。

より個人的なレベルの話をすれば、個人間の交流を通じて事態は今までと違った方向に動き出すと私は信じている。人はいったんあいてのと個人と友好関係を築けば、「イスラエル人はこうだ」とか「パレスチナ人はこうだ」といった一般化をすることがなくなる。私たちは、一方が完全に正しく、他方が完全に間違っている事態など存在しないこと、また悪い国家あるいは良い国家などはありえないということを忘れてはならない。私が強調したいのは、私たちは物事を一般化することなく個々の人間レベルで問題を分析するべきである、ということだ。このような認識は一人の人間から始まり、どんどん広まっていくものである。明らかに、このような会議をイスラエルないしパレスチナで開催することはほぼ不可能である。そうした情勢下にあるイスラエル人とパレスチナ人がこのような集中的プログラムにて共に生活する中で互いに否応なく向き合わされ対話することが、「平和の種」を蒔くことになるだろう。

パレスチナ人参加者:シュルーク・スワッティ

 会議運営のレベルは特筆すべき ものであった。また、文化交流会、ワークショップやシンポジウムの来場者からは強い積極性と好奇心を感じた。紛争地域で育った人間として、私は常に安全や平和について考えている。日本の学生が持つ意欲の高さには感銘を受けたが、一体どうして平和で豊かな環境で育った若者が夏休みを棒に振ってまでこのような会議を運営し、遠く離れた地域の紛争について学んでいるのかと私は時々不思議にさえ感じた。しかし彼らと話をしてみると、彼らは世界の問題に関心を向け、自分たちのできることを提案するのを一種の道徳的義務と感じているようだった。

 会議中には私たちは様々な感情の変化を経験した。ディスカッション中意見が対立した時には私たちは非常に張り詰めた感情を覚え、一方では日本文化に触れ、楽しんだ時もあった。そのように私たちは様々な心情の揺れ動きを感じながら、非常に刺激的な経験をすることができた。それでも私たちがいつも変わらず感じていたのは、日本人の温かく心地よいもてなしであった。私はこの会議を通して一生涯続くような友情を築くことができたと確信している。

パレスチナ人参加者:サイード・サーレ

日本という穏やかな国の、長岡・長野・東京という3つの素敵な場所を移動しながら、私たちは20日間を過ごした。それぞれの文化を紹介しあったり、共に食事を作ったり、時にはダンスしたりする毎日であった。また、この合同学生会議には7回のディスカッションが行われた。話題は多岐に渡り、実際にイスラエル国内に住む参加者の意見を聞いたり、日本人参加者が彼らの視点からイスラエル・パレスチナの状況をどのように考えているかを聞いたりしたことは私にとって非常に興味深いことであった。私たちは合意できる点もあり、できない点もあったが、現地ではこのように話す機会のない私たちにとって、この機会は非常に貴重であった。やはり多くの対話を重ねることで、私たちはお互いのことをかなり深いレベルまで理解することができるということを私は実感した。

日本人協力者:信州大学教育学部:鈴木亮子

JIPSCに所属している高校時代の友人からの誘いがきっかけで、私は『第4回日本・イスラエル・パレスチナ合同学生会議 長野プログラム』に参加した。

私はこの合同学生会議で、正直かなり強い衝撃を受けた。「思い」を「行動」に移せてしまう同世代を目の当たりにしたからだ。英語を自由自在に操り、世間で危険と言われるイスラエル・パレスチナ現地に赴き、またこのような会議も実際に運営してしまう。こうした事実を前に強い感銘を受けると同時に、焦燥感にも駆られた。

その後の私は国際交流事業を見つけては、積極的に参加した。それは、このJIPSCの合同学生会議で「人との出会い」に心底感動したからだ。参加メンバーと夜通し語ったことも忘れられない。出会えてよかった、とそれ自体に感謝できるたくさんの人に会った。

今、私は日韓学生会議に所属し、夏大会に向けて取り組んでいる。JIPSCの合同学生会議で味わった感動を、また違う場でも味わいたかったのだと思う。だからJIPSCの合同学生会議での経験がなかったら、私は日韓学生会議に参加していなかったかもしれない。JIPSCの合同学生会議での経験はそれほど大きかった。

「世界へ踏み出す はじめの一歩」。広い意味でものごとを捉える視野と行動力、みずから動く勇気をこの合同学生会議 長野プログラムで得た気がする。長野プログラムでの4日間は本当にキラキラしていた。一生忘れられない。あの夏に出会ったみんなにたくさんのありがとうを言いたい。

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